『YABANJINの日々雑感』
 
 2006年4月6日(木)「読書三昧.... 映画三昧..... 酒浸り。」

 学生の頃、村上春樹に嵌ってました。『風の歌を聴け』に始まり『1973年のピンボール』
 『羊をめぐる冒険』『ダンスダンスダンス』の(僕と鼠のストーリー)が大好きで、夢中に
 なって読んだものです....。

 R.Bの常連中の常連でIさんという人がおります。カウンターの端っこでいつも一人で
 本を読んでいるか、スクリーンの映画を観ながらワインを飲んでいる。こう書くとカッコ
 よく聞こえますが、全然カッコよくありません。

 現在は週に一回ぐらいの来店ですが、私が独立して初めての店『ミレジム』をやってい
 た頃(今から10年前)は週に三回は来てました。もう50代になりましたが、何故かこの
 方とは気が合います。

 いつも大きな鞄を肩から下げていますが、中身は厚い本が5.6冊入っています。
 彼は変わり者で、まとまった休みが取れると、一人でバスに乗り、その大きな鞄を下げ
 て東北のさびれた温泉を渡り歩き、湯に浸っては本を読むという全くうらやましい事を
 やっています。

 いつか私も彼と二人でそんな旅をしてみたいと考えています。小太りで頭のハゲた
 さえない風貌のオジさんですが、中々おもしろい人です。週末にお見えになる事が多い
 ので、見かけたら声をかけてあげて下さい。
 よくイビキをかいて寝ていますから、その時はそっとしていてあげてね。

 いつ頃からか忘れましたが、池波正太郎を良く読むようになりました。
 最初に嵌ったのは『鬼平犯科帳』です。それから『仕掛人・藤江梅安』『剣客商売』『真
 田太平記』を読破し、その他の時代物はほとんど制覇しました。

 池波ファンは膨大なので、今さら私が改めて言うまでもないのですが、この人の作品
 には一貫したテーマがあります。

 それは...「どんな悪人でも善良な心を持ち、どんな善人に見えても悪の心を持っている。
 人間とは矛盾した生き物だ。」という視点から登場人物を描いているのです。なので
 物語は味わい深く、何度読んでも飽きがこない、お得な小説なのです。

 もし読んだ事がなくて、ちょっと興味があるなーという人は『鬼平』の文庫本5巻の『深川
 千鳥橋と八巻の『明神の次郎吉』というのが私のお気に入りなので、読んでみてね。
 おもしろいよ〜。でも池波作品を読むと、日本酒が飲みたくなるよなー。ソバなど手繰り
 ながら。

 いつも3.4冊文庫本を持ち歩いて、暇さえあれば本を広げておりますが、あんまり込み入
 ったのばかりだと疲れるので、軽いのも一冊ぐらいは携えております。久々に本棚から
 セピア色になってしまった文庫本を引っ張り出して読みました。

 椎名誠の『わしらはあやしい探検隊』と、その続編の『あやしい探検隊、北へ』。
 高校生の頃だったかなー読んだの。しかし詳しい内容はさっぱり覚えてなかったけど...。
 いわゆるそんな本です。椎名誠の全くプライベートな仲間が10人ぐらいで無人島に行っ
 て、テントを張って焚き火をして酒を飲み、飯を喰らう。それだけの内容なんだけど馬鹿
 馬鹿しくていいです。

 椎名の軽妙な語り口とスルドイ観察眼が笑わせてくれます。多分すごく疲れるはずなの
 に隊員はいつも同じメンバーが集まって、三日も四日もテントを張って暮らす。特に何の
 目的もないのにネ。

 このシリーズでも人気があったのでご存知の方も多いと思いますが、何年ぶりかに読む
 と又おもしろい。特に疲れた時なんかいい。池波正太郎は日本酒だけど、椎名さんの
 本は強い酒が欲しくなるな。

 焚き火を囲んだつもりでバーボンやシングルモルトなんかいいなー。しかし椎名さんも
 昭和19年生まれだから、もう60歳を過ぎたのか....もうやってないのかな。

 去年の11月、R.Bに43インチのプラズマTVが入りました。ワインバーに何で!?という
 批判も数多く頂きました。当初はネ。しかし全くそれらの意見を無視しております。最近
 は無くなったね。嫌な人は来なくなったのかな?。まあいいや。そしてスクリーンではオ
 シャレな古典名画『カサブランカ』とか『ローマの休日』とか『風とともに去りぬ』とか『ベン
 ハー』などが上映されるはずもなく、日々『男はつらいよ』とか『幸福の黄色いハンカチ』
 とか『壬生義士伝』などの日本映画が上映されております。

 いいんだなー、寅さん。馬鹿な映画だと思ってるでしょ。これが面白いのだ。私は延べ
 200回は観てるのですが、段々なんだかフランス映画にように見えてくる。喜劇じゃない
 んですね、単なる。なんだか文芸作品に見えてくる。

 渥美清の長台詞の一人芝居が圧巻なのは勿論ですが、脇役陣とのからみも、とても
 演技とは思えない非常にレベルが高いのです。全てが傑作とは言いませんが、特に
 吉永小百合、浅丘ルリ子、京マチ子、大地喜和子、田中裕子がマドンナの作品はお勧
 めです。あえて一作品と言われたら、私は第15作『寅次郎相合傘』を上げます。是非
 観てね。
 
 ストーリー以外にも失われた日本の風景や、今は亡き名優達の演技をじっくり観るのも
 いいですよ。劇中でおいちゃんがタンブラー(コップ)にサントリーの「角」を少しだけ注い
 でストレートで飲むシーンが出てきますが、そんな風にウイスキーをチビチビ飲みながら
 茶の間(リビング)で一人観るのもおススメです。

 しかし『男はつらいよ』ではヴィバルディなどのクラシック音楽がBGMで使われているの
 ですが、これもよくマッチしてるんだよね。

 うちの常連さんで『日本映画の会』というのを作っています。私が主催者なので、常連の
 中でも私が特に気に入っている人、それから味の濃い人達ばかりなので、その人達と
 うまく絡めそうな人を選んで10〜15人の人数で、公開されている日本映画を観に行きま
 す。

 去年は『北の零年』『ローレライ』『亡国のイージス』『蝉しぐれ』『三丁目の夕日〜オール
 ウエイズ』『男たちの大和』を観に行きました。映画の後、居酒屋で酒を飲みながら、そ
 の日の映画を肴に盛り上がるのですが、特に評判が良かったのが『三丁目の夕日』で
 した。

 西岸良平のアットホームな漫画が原作なので、みんな気軽に観に行ったのですが....
 やられた。40〜50代のおじさんが皆ボロボロ涙流して感動させられました。日本アカデ
 ミーの賞を総なめにしましたが納得です。

 DVDになったら観て下さい。その他『蝉しぐれ』も良かった。劇場では観ませんでしたが
 井筒和幸監督の『パッチギ』もかなり良かった。この人は才能ある。昔の『二代目はクリ
 スチャン』も大好きでした。

 才能と言えば『北の零年』の監督さんは駄目だ。『世界の中心で愛を叫ぶ』の監督さん
 だけど、『北の...』はひどかった。吉永小百合、渡辺謙など、良い役者が多かったのに、
 まるで学芸会の様でした。

 我等が『日本映画の会』のメンバーは上映後、皆憮然として劇場を後にしましたが「や
 っぱり日本映画はダメだ!」とか「こんな映画ばかりじゃ、この会続かねーぞ。」とか、主催
 者の私も肩身が狭かった。

 しかし、あんな映画でも隣のおばちゃん、涙ボロボロ流したなー。人は、それぞれ感動
 するツボが違う、という事ですな。

 そう言えば雑誌『Kappo』はご覧になりましたでしょうか?
  2月5日に発売された3月号に、当店「R.B」が載りました。以前ロシアンブルーも掲載され
 たら、すごい反響があったのですが、今回は大してなかったな。

 15.6名しか新しいゲストは来なかった。そりゃ、そうだよな。あんな文章読んで、来る人の
 方が珍しい。読んだ人は分かると思いますが『難易度A級』だの“「どなたでもお気軽にど
 うぞ」なんて建前はこの店にはない”なんて書かれたら、そりゃ、入りづらいはな。

 今迄も何度か雑誌の取材の申し込みを頂きましたが、全て断ってきました。何故かって?
 だってめんどうだし、こう見えても案外内向的な私ですので、誰とでもうまく話しをするこ
 とが出来ません。

 なのに何で今回は取材を受けたのかと言うと「店なんて、いつ何時つぶれるか分からん
 し、記念に残すのも悪くないか。」という程度のことです。でも、なるべく人が来ないように
 書いてくれというお願いをしたので、あんな文章になりました。

 私はあの文章気に入ってます。上手だな。雑誌を見て予約をしたいという方も何組かいま
 したが、全て断りました。こんな店に来た事もないのに予約をしたいという人の神経が理
 解できん。

 しかし雑誌に載せた事、少し後悔しております。なので、今後取材に応じる事はないでしょ
 う。再び小説の話しに戻りますが、最近、在仙の作家で伊坂幸太郎さんの本も好きです。
 『オーデュボンの祈り』『ラッシュライフ』『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカー』『陽気な
 ギャングが地球を回す』『チルドレン』『グラスホッパー』迄読みました。

 中でも『チルドレン』が一番好きです。『グラスホッパー』が個人的にイマイチで、その後の
 作品を読む気が失せましたが、その内又読もうと思います。

 本の話しはまだまだ続きます....。

  
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南欧創作料理とワイン ロシアンブルー

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営業時間 夜7時〜午前3時