『YABANJINの日々雑感』
 「駒大苫小牧の事件に思う」

 高校野球の舞台裏で不祥事が続出している。駒苫の件、皆さんはどう思う?  知っている 
 人は知っていると思うけど、私も仙台育英の硬式野球部の出身です。甲子園にも出場して 
 いますが、出場辞退も経験しています。

 上級生の下級生へのカンパ強要が読売新聞の全国版にスッパ抜かれてジ・エンドです。
 しかし、そんなのはごく一部で、毎日ではないけれど、深夜の室内練習場で照明もつけな
 い闇の中、目を閉じさせられ、今思うとアホらしい理由でボコボコに殴られ蹴られたものです。
 
 卒業して20年も経つと、甲子園に出場したことも勿論大切な思い出ですが、この殴られた
 ことがとても印象に残り、OB会などで同級生が集まると盛り上がります。

 横一列に正座してイガグリ坊主の仲間達が闇の中で「ボカッ」とか「ドスッ」とか殴られる音
 や「うーっ」とか言ってうずくまる声.....あー思い出してきた。でも、そういうのをくぐり抜
 けながら同級生同士の連帯感とか絆ってやつが深まっていったように思う。

 これは上級生からのいわゆる“しごき”というやつで今回の駒苫の指導者の暴力とは違い
 ますが、監督からの“愛のムチ”も当然ありました。出場辞退が明けた2年の秋に、なんと
 ライバル東北高校から、名将・竹田利秋先生が監督になった。

 この人、昔は「みちのくに雪が降らなくても、竹田が殴らぬ事は無い。」と全国で有名な監
 督さんでした。育英に移籍してからは、そんなに殴ることはなかったけど、その威圧感は相
 当なもんでした。

 勿論、時には殴ることもあったけど、当時は別に普通の事だったという時代的な空気という
 のを割り引いても、僕は納得してました(中には現在でも納得してない奴がいるかも知れな
 いケド)。ここまで書いてくると、じゃ、YABANJINは駒苫の事件や部内の暴力を肯定する
 のかと言うと“No”です。

 上級生の下級生に対するイジメは特によくありません。実際、育英もそうでしたが、そういう
 事があるチームは強くならないものです。仲良くとはいかなくても、規律がありながら風通し
 が良くないと強くはなりません。

 そして今回の駒苫の件ですが、私は詳細は知りませんが、問題は指導者と生徒の間に信
 頼関係が築かれていたか、という事だと思うのです。今思うとかなりマセたガキだったので
 すが、当時18才の私は、名将・竹田利秋にマンツーマンでこんな質問をしました。

 「最近問題になっている指導者の暴力について先生はどう思われますか?」という質問に
 対して先生は.....

 「殴られた生徒が“愛のムチ”と感じたら、それは愛のムチ。“暴力”と感じたら、それは暴力。」
 という明快な答えが間髪を入れず返ってきました。

 「殴られた生徒が、自分の為に叱ってくれている。自分を良くする為に殴ってくれている。そう
 納得できる人間関係が日々築かれていないところで殴っても、それは受け入れる事が出来
 ない。“暴力”と訴えられたら指導者は甘んじて受ける覚悟と責任が必要だ。」

 まあ、なんと潔い答えだろうと、多感な高校生の私は感動すら覚えました。駒苫のケースも
 そうですが、どこの世界でもある問題です。人の上に立つ者は、日々の過程にこそ問題が
 あることを知り、確かな人間関係を築くことに腐心しなければなりません。

 最後に恩師・竹田利秋先生の言葉で締めくくりたいと思います。

 『哲学無き者、人の上に立つべからず』 耳が痛い.....。
 
 
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